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木材への薬剤注入製の向上を目的とした横圧縮前処理法は、物理的な力で木材中に浸透経路をつくろうとするもので、インサイジングが木材の表面層に人工的な木口切断面を多数つくることとすれば、この手法のねらいは木材内部に液体の通路となる微小クラックを人工的に創り出すことといえる。横圧縮を負荷すると木材細胞壁の壁孔(ピット)の周辺が特異的に破壊される。壁孔周辺ではセルロース・ミクロフィブリルがまわりと異なる配向をしていることから、この部分に限定されてクラックが生じることに起因するのであろう。この処理を施すことによって、木材の木口面以外の側面からの液体浸透性を飛躍的に促進することが可能となることから、実用的な長尺の製材品であっても内部への浸透性を確保することができる。
圧縮変形した細胞壁
破壊した壁孔膜
ローラによるプレスの状況